an odd fellow

仕事のメモ

ココロコネクト ヒトランダム

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

アニメ見たらあんまりにも面白かったもんだからつい原作を全部買って積んで気づいたら3ヶ月経ってた。しかし今年はこいつを読むと去年決めたんだ。ウラルを読み終わってからすぐ読み始めて1日で読めた。

ラノベはほんとにライトだ。全部何もかも書いてあって、それで何もかも書いてある通りなんだろう。それ以外の事実が無いというか、想像する余地も無い。書いてあることを書いてあるとおり受け取る作業だ。桜木小説と比べるのも変な話だけれど、まぁ、ラノベはこの軽さが良いのだ。桜木小説の直後にラノベを読んだことで、桜木小説の良さとラノベの良さがちゃんとわかった気がする。

しかし、ラノベがアニメ化盛んなのわかるよ、書いてあるとおりに映像にすればいいんだ。前のノイタミナですべてが F になるやってたけれど、解釈の自由度を残した作品はやっぱ難しんだ、ボクはアニメ版 F になるを見て特に真賀田四季に印象の相違を覚えたけれど、ああいう解釈もあるのだと思った。一方でラノベのキャラや話は全部書いてあるから書いてあるとおりに思うだけで終わるから楽ちんだ。

ココロコネクト読んで桜木小説の感想を述べるのは酷い話だけれど、桜木先生の情景に心理の複雑さを綺麗に重ねるの好きだ、愛してる。

ココロコネクトはオレガイルがやりたかったこと、全部書いてあるんじゃないだろうかってボクは思うんだよな…。アニメ見てるから5巻くらいまでの内容は知っているんだけれど、今後の自己犠牲野郎の行く末を見守りたい。

霧 ウラル

霧 ウラル

毎日 30 分読書する時間取るようにしたらいいペースで本が読めてる!借り物の本を読んだ後は積んであった桜木紫乃の新作を読んだ。毎度のことながら桜木小説はお腹が痛くなる。今回は戦後すぐの根室の話だった。桜木小説は根室から釧路あたりのお話がおおい(とおもう)。ウラル、どんな感想を思えばいいのか、よくわからない。今回は 3 姉妹の話だった。ラブレスは姉妹でしたね。男女も姉妹の関係もひらすらに上手くいかないという話は一緒かな、と思うけれど、そうだなあ、ラブレスの百合江は諸行無常を受け入れて"流されて生きる"ことを良しとするのに対して、ウラルの珠生はもっと人間臭さが残っていて、理不尽を悲しむ人だったのに、だんだん意図的に心を殺すことを覚えていくっていう、重い、重かった。桜木小説良い。読み終えたあとのスッキリしない重鎮感が癖になる。

ここまで書いてから読書メータの他人の感想を讀む。

やっぱ「悲しい」「切ない」とか「複雑」とかでなんかうまく言葉にできないんだよなあ。どう表現したらよいのか、本当にわかんないけど、すごい引き込まれるんだよなあ。他の小説で体験できないリアルな人間関係とか、そこで起こるギクシャクとか、たまらんのよな…。

ううん、女性の逞しさについて言及する人もいるんだけれど、珠生の生き方を逞しい、と表現するのはなんだか…。弱いひとじゃないか、とおもう。それをなんとか奮い立たせて、惚れた男のため、そしてもはやなんのためなのかもわからなくなってるなか、相羽珠生を演じる珠生のその生き方に賛成もできないけれど嫌な生き方ではないし、そういうもんかな、とかなんか納得するっていう。ううん。うまく言えん。

追記

調べてたら直木賞とるまえのラブレス書いたあとのインタビュー記事を見つけた

www.webdoku.jp

ここでこう言ってる

アラン・ドロンの映画『愛人関係』を観て、物語の最後はこうでなきゃ、と思いました。ミレーユ・ダルクと弁護士役のアラン・ドロンが冬のニースの展望台に行くんですけれど、最後に銃声がこだましてエンドロールとなるんです。小説でやるとハードボイルドになりそうですけれど、いつか書きたいですね。

これを書いたわけですな…。

あとこれ。

www.youtube.com

担当者からこういうの書いて欲しい!ってくることがあるんだ。インタビューの最後の「女の一生は惚れた男で決まる」っていうのが、なんか切ないなあと思った。

クズと金貨のクオリディア

高校の同窓会で友達に「オレガイル結構面白かったよ」と話題を振ったら、借してくれた。

変猫の作者とオレガイルの作者とのリレー小説形式になっていて、主人公パートとヒロインパートで筆者が違うので、本当の意味で主観が切り替わっている。どうやら「主観のすれ違い」がこの本の主題であるらしい(あとがきにあった)。リレー小説という形式で作者達自身が実践しているというのが面白い。

最近は森博嗣桜木紫乃ばかりなので、こういうこてこてのライトノベルの主人公の地の文の自分語りが痛すぎて、最初は辛かった

本来、時間や予定をコントロールするのが万物の霊長たる人類の証であるというのに、それすらできないとは…。フハハ!哀れだな!惨めだな!俺と彼らどちらが哀れで惨めであるかは言うまでもないことだな!(自虐)

みたいな文章を読むとぞっとした…。昔は読めたけど…。ただ上で書いた通り、主人公パートとヒロインパートで同じ事象に対しての意見の異なりが面白かったので最後まで読んだ。呼んでいくと後半の方に

世にあるのは主観と客観ではなく、主観と主観だけ。主観の対義は客観ではなくた他の主観だ。

とあって、それで最終的には結構好きな作品になった。

僕は自分の主観が至って平均的で一般的なものであると信じていて、その常識的思考(と思っていたもの)を心の拠り所にもしていたくらいで、ボクは至っていわゆる一般的な思考、これをやると非難に合う、これをやると喜ばれる、という基準が世間に合致していることがステータスだと思っていたんだけど、どうやらボクの主観は狂っているらしいと思い知る出来事があって、具体的には「君の倫理観はおかしい」と指摘されたんだけど、"主観の対義は他人の主観"は「ほんとそれ」という気持ちで読んだ。読み終えてから読書メータで他人の感想を読むのがボクの読書の習慣のひとつなんだけれど、「主人公がクズ過ぎて読むのが辛い」とか「ヒロインサイコパス酷い」とかが圧倒的に多くて、ボクの感想とは正反対だったのも、これが「客観」なんだなあとむざむざと感じさせた。主人公やヒロインに対して引き気味の感想がおおくて、自分と重ねるひとっていないんですね…。みんなちゃんと社会と適合して、この本の特にヒロインみたいな性格の人物を避けて生きていて、彼女に対して「酷い」とか「引く」とか言えるようなそういう人たちが多いんだなーっておもいました。

多様性という言葉、ボクは結構好きで、実際に実現されてきていると思っていたんだけど、「他人に危害を加えること・迷惑をかけること」に対する主観については統一された思考がやっぱり求められてるんだよなって、そういうことをおもいました。までも確かに、つきつめれば人を殺しても良い社会が出来てしまうんだけれども、多様性ってなんでしょうね。おわり。

今年読んだ本

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今年も終わりです。今年は、そうだな、色々あったけれど、ボクの中で大きな行事だったのは NTT の研究所でのインターンでした。一ヶ月の東京暮らしと研究だけの生活、今思えば、理想的な純粋で綺麗な生活だったなと思う。長野に戻ってきてからはまたバイトで急かされたり、講義に出席しないといけなかったり、くだらんことで悩んだり、いつもどおりの生活に戻ってしまって、あの一ヶ月をとても懐かしく思います。

ま、そんなこととは別に読書をライフワークと決めて一ヶ月に一冊を目標にしていましたが、今年は全然読まなかった…。原因はわかっている…インターネットのやりすぎであると…。インターネット依存症を克服して来年はもっと読むぞと思う。

今年は桜木紫乃を何冊か読んだ。桜木紫乃はいいぞ。

密かにお慕い申し上げている女性ブロガーが桜木紫乃の小説を紹介していて機会があれば、と思っていたところ、平安堂の古書コーナに何冊か置かれていて、ひとまず買ってきたのがラブレスだった。

ラブレス (新潮文庫)

ラブレス (新潮文庫)

強烈だった。読んでいると、あの小学校のときにいたずらをして、それが先生・親にばれないか否かみたいなあのお腹の奥がキュッとなる、あの感じが常にある、そういう小説だった。ヒヤヒヤした。小説でこういう経験を読者に起こす桜木紫乃、一発でファンになって、それからつらつらと読み続けている。

硝子の葦 (新潮文庫)

硝子の葦 (新潮文庫)

ホテルローヤル (集英社文庫)

ホテルローヤル (集英社文庫)

霧 ウラル

霧 ウラル

ターミナルは映画化もしましたね。長野は上映が2週間だけでしかも昼間しか上映してなくて見に行けなかった。硝子の葦は BS でドラマやっていたらしい。そして代表作はホテルローヤルですね、これ、ボクの中での女性に対する思いがかなり変わりました。新作のウラルも買ってある。また強烈な話っぽいのでちびちび読んでいる。短編集をいくつか出していて、どれも面白い、というか、桜木小説は面白いという枠組みでは無く、なんだろう、疑似体験だと思う。生々しい。そしてそれは長編であればあるほど深い疑似体験になって読後の無常感が大きい。そういうわけでラブレスおすすめなんです。人に勧めても誰もそんな辛い話読まないよと言われるんだけど、辛い話というよりかはあの、そう、なんていうか、ラブレス読了後の強烈ななんとも言えん感じを、誰かと共有したい…。

orange(1) (アクションコミックス)

orange(1) (アクションコミックス)

今年は小説より漫画をいっぱい買って読んだ。3月のライオン、ほんとに良かった。この漫画が無ければ研究所のインターン、すごい辛かったと思う。羽海野チカ先生ファンになったのでハチクロも買って来て一日で全部読んだりなどした。あと orange かな。松本が舞台の話だというので買って読んでみたら良かった。今日映画も見てきたのだけど、あず役の清水くるみさんとっても良かった、原作のイメージ通りでした。菜穂役に関してはイメージ違うような…。土屋太鳳ちゃん、朝ドラのイメージが強くて…という感じ。

来年の目標は桜木小説の既刊を全部読むのと、買ったきり読まずに積んでいるココロコネクトを全て読むことです…。

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

Heianzon を更新しました。 #nseg

この記事について

NSEG Advent Calendar 2015の 14 日目の記事です。そっと見ていたのですけど、今日で途切れていたので書くことにしました。

おまえだれよ

たーまに NSEG に行ったりぎーらぼに行ったりしている学生です。

Heianzon

長野県民には馴染みの深い平安堂に本の在庫があるかを Amazon で検索したときに表示してくれる Chrome拡張機能です。

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chrome.google.com

実は今年の 3 月くらいにざっと書いて公開してました。しかし Amazon の HTML が変わったせいで動かなくなってて、気が向いたら更新しようとは思っていたもののめんどくさがってやらずにいましたが、いい機会だったので今更新しました。NSEG な人たちには便利かもしれないので使ってみてください。長野だと Amazon やら楽天で買い物すると配達で 1 ~ 2 日ほど待たされるので、駅前への用事のついでに平安堂寄って買ったほうが手っ取り早いというケースがあると思います(たぶん)。Heianzon で表示している在庫情報は長野駅前店のものです。在庫検索ができるのは長野駅前店だったので…。公式で他の店舗の検索ができるようになったら対応します。

平安堂 本の検索・ご注文

なんで作ったの

ボクは通販待つのが嫌で自分で買いに行ってしまうというのが動機のひとつと、平安堂って経営悪化で潰れかけたっていうのがあって、そのときにニュースで、ネット通販の煽りを受け…みたいなのが報道されていたと思います。あと Libron っていう chrome拡張機能があって、これは Amazon で検索した本が図書館にあるか表示してくれます。これのおかげで図書館をすごい使うようになったというユーザ体験があったので、同じアプローチが取れるかなと思ってつくりました。

www.libron.net

所感

平安堂の在庫検索、この Heianzon 作る前から結構使っていたのですが、当然在庫が無い本が結構あって…、でも 1 週間後に行くとこの間無かったくせにしれっと置いてあったりして、どんな本が検索されているかとかやっぱり見ているんだなあと思ったので、Heianzon 使うと平安堂の店舗に置かれる本の質も上がるのではという気がします。ただ、Heianzon 使うと平安堂に Amazon でどんな本見たのかという情報が送られることになるので、そういうの嫌な方は使わないほうがいいかもしれません。

実装自体は 20 行の Javascript で、Amazon のページから isbn 取得して平安堂の在庫検索に ajax で投げるだけです。適当に作って動かないまま放置していても、統計情報見るとぽつぽつとインストールする人がいて、なんか、地元良くしたいみたいなの、いろんなアプローチがあると思うんですけど、こういうちょっとしたプログラムを作るだけでもいいのかなと思いました。

github.com

おわり

実践ドメイン駆動設計 (Object Oriented SELECTION)

実践ドメイン駆動設計 (Object Oriented SELECTION)

VoyageGroup のインターンに行きました

Sunrise に行きました。コードを書かない〜という触れ込みだった気がするけど普通にコード書きました。公式にも書いてあるけど、「プログラミングができる」から「サービスが創れる」になるために必要なことが学べました。ボクは一応サービス作って運営してたりするんだけど、もうそれは何も全く考えてないとりあえず作って運営してるというレベルなので、Sunrise なら今困ってることが氷解するんじゃないかなあという期待があって、実際インフラ設計については氷解しました。

ボク勉強するときに重要なのは「プロの気持ち」を理解することじゃないかなと思ってて、プロは何に恐れていて何ができると嬉しいかっていうのって、素人だと全くわからないから、その分野の本読んでもわからないってことが結構あるなあと感じていて、まぁ本読みながらちょっとずつ理解するんだろうけれど、最近 IT 企業はインターンが多いけれど、インターンいくとプロと話をする機会がたくさんあってそういう気持ちを察することができるので、いわゆる"圧倒的成長する"ので、ありがたいなあと思っています。今回も、問題に対してどういう気持ちで取り組むかっていうのがよくわかったと思います。気持ちがわかればやり続けられるし、知識は勝手につくかなとおもう。

AJITO で飲んでる時に CTO とお喋りしていて( CTO と夜中までお酒飲めるインターンしゅごい )、SICP の話題が出て「 IT エンジニアとしては読むべきだよね」と言われていたのを思い出して、今少し時間が取れるので SICP を読んでる。インフラ設計の勉強しにいって戻ってきて何故か SICP 読んでるっていう。

SICP 読んでると LAND OF LISP を読んだ時の強烈な印象を思い出します。LISP の本って著者たちの LISP の愛がつまってて好き。

この業界に身を沈めること考えればクラウドインフラとか就職したあとに、やらざるを得ないことに含まれると思うし、今じゃなくて良きかなという、遅延評価の心です、必要になるまでやらない。それより今時間があるときは古典を読むことにしました。

このブログ、Sunrise 行こうか悩んでるひとが見てたら是非行って欲しい。Voyageのインターン行った人の人間のブログ読むとみんなめっちゃ熱っぽいこと書いてて、見てるこっちとしてはおおおお前よよよく恥ずかしげもなくそんな…/// みたいな気持ちになるんだけど、VoyageGroup すごく熱のある会社で、あの熱にあてられるとああなってしまうんだなあとわかりました。ちなみにボクは会社に2泊しました。覚悟が足りなかったことだけが後悔です。

おわり

計算機プログラムの構造と解釈 第2版

計算機プログラムの構造と解釈 第2版

Amazon Web Services クラウドデザインパターン設計ガイド 改訂版

Amazon Web Services クラウドデザインパターン設計ガイド 改訂版

pyenv で BUILD FAILED

> pyenv install 3.4.3                                                                                 
Downloading Python-3.4.3.tgz...
-> https://www.python.org/ftp/python/3.4.3/Python-3.4.3.tgz
error: failed to download Python-3.4.3.tgz

BUILD FAILED (Ubuntu 14.04 using python-build 20151105-2-g12ad6f6)

こうなったら/tmp/python-build-*でログが出ているので読む。ボクの場合はこんな感じだった

/tmp/python-build.20151108181341.11523 ~
curl: (77) error setting certificate verify locations:
  CAfile: /etc/pki/tls/certs/ca-bundle.crt
  CApath: none

ボクが使っているのは ubuntu だから /etc/pki/tls/certs にはca-bundle.crt は無い。シンボリックリンクを張って解決。

# ln -s /etc/ssl/certs/ca-certificates.crt  /etc/pki/tls/certs/ca-bundle.crt

pyenv でなんかいじっていたら python-build のバージョンあげろとか言ってきて、 ~/.pyenv/plugins/python-build/ で git pull したのが原因だと思う(たぶん)。このときにca-bundle.crt のファイルパスが RedHat 用のに書き換わったんじゃないかしら。